日本では陣痛は耐えるものという習慣が昔よりありますが、欧米では無痛分娩(硬膜外麻酔)がさかんに行われています。陣痛により、精神的、肉体的にパニックになるような場合は有効な手段と思われます。また、子宮口の開大が不十分な場合や子宮頚部の熟化が悪い場合など効果ありますが遷延分娩になることがあります。そのような場合は陣痛促進剤を使用します。(当院では無痛分娩を推進している訳ではありません。

どうしても痛みに耐えれない場合など行う場合はありますが、基本的には自然分娩をしてもらいます。また夜間や休日の場合など麻酔ができない場合もあることを了承頂いています。


無痛分娩 Q&A

Q:無痛分娩により、赤ちゃんへの影響はないのですか?

Q:無痛分娩は、どのような人に適していますか?

Q:海外と比べ、日本での無痛分娩の割合はどうなのでしょうか?

Q:無痛分娩をしたらまったく痛みはなくなるのですか?

Q:麻酔後にある副作用などはありますか?

 

Q:無痛分娩により、赤ちゃんへの影響はないのですか?

硬膜外麻酔により、胎児心拍数が正常範囲内でわずかに、上昇することがあります。しかし、一過性のものだと考えられるため、麻酔による赤ちゃんへの影響はほとんどないといわれています。

Q:無痛分娩は、どのような人に適していますか?

第一に患者さまの要望、分娩の痛みに耐えられるかどうかと不安を感じておられるかた、合併症のあるおかあさま(高血圧、心疾患など)への負担を軽くしてあげることができます。

Q:海外と比べ、日本での無痛分娩の割合はどうなのでしょうか?

日本は欧米と比べてお産の考え方に違いがあり、痛みを我慢することや痛みに耐えてお産をすることが良い母親になるための試練だというような考え方が根底にあるためどうしても欧米に比べて低いといえます。欧米では約80~90%以上の女性が無痛分娩を選択されている国もあります。

Q:無痛分娩をしたらまったく痛みはなくなるのですか?

原則として、陣痛に伴う痛みはまったくなくなることはありません。(腹緊は感じると思います。)分娩進行と麻酔薬の作用持続時間にずれがあることがあり痛みが出現することがあります。硬膜外麻酔はカテーテル留置しているため、痛みが出現すれば麻酔薬を追加して投与することができます。しかし、無痛分娩は痛みを弱くしてしまうので、子宮収縮薬による誘発分娩をすることがあります。(当院ではアトニン05単位、プロスタルモンF3000)の注射薬を点滴の中に混注して使用します。いきみの際、多少痛みが出現します。いきみ=腹圧をかけるということなので、痛みを軽減してしまえば分娩を延長させてしまいますので、まったく痛みをとることはできません。(吸引分娩などを行う場合があります)

  1. 重症妊娠中毒症、明らかな胎盤早期剥離、HELLP症候群、重症感染症、大量出血後、そのほかDICになる危険因子のある疾患をもたれている患者さまとなっています。

Q:麻酔後にある副作用などはありますか?

麻酔後に頭痛がおこることがあります。原因として、穿刺部位からの髄液漏出によると考えられています。髄液漏出によって脳の浮力が減少して、神経や血管が率引されたり、脳血管が拡張して発症するといわれています症状は、激しい頭痛、めまい、嘔吐、吐き気、耳鳴り、複視がみられたりします。長時間のカテーテル留置による感染も考えられますが、抗生物質の点滴などで治療ができます。